江戸時代は消防士も警察官もみんな侠客?

第3週がアップになりました。

今週は、いよいよ久四郎が登場します!

ということで、今日は『侠客』について。

侠客と聞いてあまりイメージは良くないですよね?
侠客=ヤクザとか、侠客=暴力団ってイメージじゃないですか?

辞典で調べると……

色々書いていますが、結局よく分かりません。

これは私の見解ですが、
侠客=民間人の男気集団
と考えています。

江戸の当時、火事の消火にあたったのが町火消し。
この人たちは、火消しが本業ではありませんでした。
他に仕事を持っている民間人でした。

彼らの主な本業は鳶(とび)。
当時は消火技術が発達してなかったので、延焼を防ぐ為には、
燃えている周りの家を壊す破壊消火が一般的で、
建物の構造に精通している鳶は適任でした。

また、江戸の刑事は同心ですが、彼らはいわばキャリア組。
そうではない、地回りをするお巡りさんは御用聞きと呼ばれました。
銭形平次ですね。
彼らは十手を持って、犯人を捕縛することはできますが民間人でした。

浅草・浅草寺の門前町は皆さんも一度は行ったことがあるんじゃないでしょうか。
ここを仕切っていたのも民間人の新門辰五郎でした。
新門辰五郎といえば、図抜けた資金力の持ち主で、
支配下の的屋が納める場所代で押入の床が抜けたとの逸話が残る侠客の代表格。
ちなみに辰五郎は火消しの親分でもありました。

要するにですね。
江戸時代は消防士も警察官も、大きい寺の門番もみんな民間人で、
男たちが集団を組んで事を成していた、
つまりこれが”侠客”ということなんです。

江戸時代は職業という概念が今ほどありませんでした。
営利であれ非営利であれ、何かしようとすればマンパワーが必要、
一声かければ人が集められる、というのは何より重要だったのです。

ちなみに、江戸時代の派遣業である口入れ屋の代表格・大垣屋清八も侠客ですね。
江戸の後期になると、大きい侠客グループのボスは政治にも関わっていきます。

まあ、刺青入れてたりガラは悪かったでしょうが、そういう時代でしたから。

どうでしょう?
侠客のイメージ変わりました?

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いけころし ~伊達男捕物帳~

いけころし~伊達男捕物帳~
著:吉田真童
毎週水曜更新

1828年の江戸を舞台に描く捕物帳シリーズ。
臨時廻り同心の万五郎と雲助の久四郎という、生きる世界が全く違う二人が悪人を捕まえる。生かすも人、殺すも人、しかしそれを裁く人間が真の正義を知っているのだろうか? 二人は模索しながら反発し時には協力し、それぞれの正義に従って悪を成敗する。